「合同会社」という言葉を耳にする機会が増えてきた——そう感じている方は多いのではないでしょうか。実際、日本における合同会社の設立数はこの10年で急増し、2024年には新設法人の約3割を合同会社が占めるまでになっています。本記事では、合同会社がなぜこれほど増えているのか、そして発注先として注目される背景を、データとともに解説します。合同会社の基本的な仕組みや株式会社との違いについてはこちらの記事をあわせてご覧ください。
Contents
合同会社はなぜ生まれたのか
合同会社は2006年の会社法改正によって誕生した、比較的新しい会社形態です。それ以前は、小規模事業者の法人化の受け皿として「有限会社」が広く利用されていました。しかし2006年の改正により有限会社の新規設立が認められなくなり、代わりに小規模事業に適した新しい形態として合同会社(LLC)が創設されました。
同時に株式会社の最低資本金制度(1,000万円)も撤廃され、資本金1円から設立できるようになったことで、法人化のハードルが大きく下がり、専門スキルを持つ個人が法人格を持ちやすい環境が整いました。
合同会社の設立数はどのくらい増えているのか
東京商工リサーチの調査によると、合同会社の年間新設数は以下のように推移しています。
| 年 | 合同会社の新設数 | 備考 |
|---|---|---|
| 2011年 | 約8,990社 | 創設5年、知名度はまだ低い |
| 2015年 | 約2万社 | 認知度の浸透とともに加速 |
| 2019年 | 約3万社 | フリーランス法人化の流れが本格化 |
| 2023年 | 4万655社 | 初めて4万社超・新設法人の26.5% |
| 2024年 | 4万2,107社 | 2000年以降で最多・新設法人の27.3% |
帝国データバンクの調査でも2024年の合同会社新設数は4万2,133社と最多を更新し、株式会社と合同会社で新設法人全体の9割を超えたことが確認されています。2011年から2024年にかけて、年間設立数は約4.7倍に成長しました。
参考:東京商工リサーチ「2024年『合同会社』の新設法人4万2,107社」/帝国データバンク「2024年『新設法人』動向調査」
合同会社が増加している三つの理由
設立・運営コストの低さ
合同会社は株式会社と比べて設立費用が約3分の1で済み、設立後も決算公告・役員任期管理・株主総会といった手続きが不要です。「本業に集中しながら法人格を持ちたい」という専門職のニーズに合った形態として、特にIT・Web・デザイン・コンサルティング領域のフリーランスに広く普及しています。
インボイス制度をきっかけにした法人化の加速
東京商工リサーチによると、2023年10月に始まったインボイス制度をきっかけに、個人事業主が法人化する際に設立コストの安い合同会社を選ぶケースが増え、設立数の増加を後押ししたとされています。取引先から適格請求書の発行を求められたことが、法人化の直接的な動機になったケースも多いです。
外資系大企業による認知度向上
Apple Japan・Amazon Japan・Google Japanといった世界的な大企業が日本法人を合同会社として設立していることが広く知られるようになり、「合同会社=格下」という誤解が徐々に解消されてきました。こうした事例が認知度の向上と設立数の増加に貢献しています。
発注先として合同会社が注目される背景
合同会社の設立数が急増していることは、発注者にとって直接的な意味を持ちます。かつて外注先の選択肢は大手制作会社か個人事業主かという二択に近い状況でしたが、現在は専門性の高い合同会社が全国に数多く存在しています。
合同会社として活動するプロフェッショナルの多くは、代表者自身が直接プロジェクトに関わります。大手に発注したときのような「営業が受注して下請けが作る」という構造がなく、専門家本人との直接対話・スピーディな対応・コストパフォーマンスの高さという三つの強みが、発注者から評価されています。
合同会社への発注メリットについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 合同会社と株式会社、発注先としてどちらが信頼できますか?
A. 発注先としての信頼性は会社形態ではなく、実績・法人格の確認・契約内容の明確さで判断するものです。合同会社も株式会社と同じ法人格を持ち、契約・責任の面で実質的な差はありません。国税庁の法人番号公表サイトで正式な法人かどうかを確認した上で、実績やポートフォリオを見て判断することをおすすめします。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Q. 合同会社はいつから存在するのですか?
A. 合同会社は2006年5月施行の会社法によって創設されました。それ以前は有限会社が小規模法人の主な選択肢でしたが、会社法改正により有限会社の新規設立が認められなくなり、合同会社が新たな選択肢として登場しました。
Q. 個人事業主と合同会社への発注は何が違いますか?
A. 最大の違いは法人格の有無です。合同会社は法人として契約・請求・責任の所在が明確になるため、社内の取引ルールで法人のみと規定している場合や、インボイス対応が必要な場合は合同会社への発注が適しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Q. 合同会社に発注する際の費用相場はどのくらいですか?
A. 依頼する領域によって異なりますが、Web制作であればLP1ページで15万〜40万円、コーポレートサイトで30万〜100万円が目安です。大手制作会社より割安なケースが多く、同じ予算でより多くの工数を実作業に充てられる傾向があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Q. 合同会社への発注で失敗しないためには何が重要ですか?
A. 発注前に目的・ターゲット・予算・納期・参考事例を整理しておくことが最も重要です。依頼内容を文書化した上で発注することで、認識のズレを防ぎ期待通りの成果物を得られる確率が高まります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
合同会社は2006年の創設以降、設立コストの低さ・運営の手軽さ・インボイス制度への対応需要などを背景に急増し、2024年には新設法人の約3割を占めるまでに成長しました。専門性の高い合同会社が全国に広がる今、発注先として合同会社を視野に入れることは、より良いパートナーを見つけるための重要な選択肢になっています。hikiaiでは、専門性を持つ合同会社と発注者をつなぐ情報を発信しています。


